2009年10月2日、3日の2日間、全3回に渡って催されたPeru Live One 。超満員の観客に感動を与え大成功裏に終了しましたが、このライブにスタッフ、あるいはキャストとして関わった人たちの感想日記を公開します。
 主催は、プリあらの代表でもある荒木一郎会長のボランティア・サークル、w0o0w Company(ワウ・カンパニー)、後援が「プリンあらモードMagicクラブ」、そして魔法招会が全面協力しています。
佐々木由喜雄(制作チーフ)
 「どういう風にモノが造られていくのか、今回は、初めから見た方がいいんじゃないか?」という荒木会長からの一本の電話に、ほとんど訳がわからぬまま「・・あ、はい」と答えたのは去年だった。会長は人の幸せを願う<宇宙人>だと思っている自分は、会長のアドバイスを鵜呑みにするクセがついている。
 制作のお手伝い?ということで、年が明けて具体的に動き出した。
 会長のお友達である、邪宗門のマスターの作道さんのお世話で、予算のない中、真向かいの小劇場、東演パラータの予約もとれ、会長のファンでプロの舞台監督である古舘さんもご紹介頂いた。
 そして照明は加納実さん、音響は五井渕実さんという、会長とは10数年のお付き合いになる最強プロの方々。会長は、ライブを成功させるにあたって、絶対の信用をこの方々においている。
 ぺるライブのダンスの振り付けは、この人しか考えられない、という会長の熱い思いでドルフィンマジックカンパニーのあさおかるいさんにお願いし、決まった。
 こうして、超プロの会長を中心に<ぺるライブONE>を支える『プロジェクトチーム荒木』は、まずは順調なスタートを切った。
 7月初旬、テル(佐治輝幸)さんと会長の打ち合わせにより、チラシが完成した。素晴らしさに感動した、と同時に驚いた。
 そうそうたるプロチームの中に、制作担当/佐々木由喜雄の名前があったからだ!ゲッ、お手伝い気分じゃまずい、みんなプロなのに。何よりも、会長とぺるちゃんに恥をかかせるわけにはいかない。背筋が伸びた。
9月9日(水) 佐々木由喜雄(制作チーフ)
 夜、会長宅で最初で最後のスタッフ打ち合わせ、たった一回しか合同の打ち合わせがない。後は、個々の相談で良しとする。会議や命令系統を作るのは意味がないという、これが荒木流だ。
 一枚のメモを渡され、初めてライブの全容が明らかになった。その後、内容に合わせて完璧に構成された音楽やSE(効果音)の入ったCDを聴かせて頂いた。
 スゴイ!こんなことができるのか? 
 全13シーンの各場面転換では、ピーロさんを中心にスタッフが役者を兼ねるという。前代未聞。楽しそうだが大変そうだ。
 具体的に、会長から演出面での色々な指示があり、持ち場や道具が決められて行く。ピーロさん、福田君、堀さん、村岡君、みんながそれぞれ衣装や小道具など、進んで請け負ってくれるのが頼もしい、予算がないのに。
 特に堀さんの張り切りようはぺるちゃんファンだけに凄かった。何を頼んでも断わらない。
 例えば、最初の場面転換、工事現場の「安全第一」と書かれた四角い黄色いツイタテ=A型バリケード(堀さん調べ)をどこからか借りてきてほしいと頼んだら、翌日、自分がぺるちゃんライブの記念に買ってしまったのだ。珍しい人だ。その時から、自分の中では「困った時の堀頼み」が定番化した。
堀 友成(舞台美術他)
 初めて単独ライブの話を聞いたのが5月頃でした。その時は、楽しみが増えたな、3回観覧コンプリートするぞって感じでした。
 日が経つにつれチラシができ、チケットが出来てきて現実味が増す中、自分もチラシを配ったりチケットを手配したりと、手伝えることに喜びを感じていました。まだ、この時は自分の中ではお手伝い程度でした。
 9月に入って打ち合わせがあり、この時初めて自分が単なる裏方ではなく出演者の一員であること聞かされびっくりしましたが、なんだかワクワクしてきました。
 幕間では、制作担当の佐々木さんと一緒に、吊りもの(窓、バー、カジノの看板)の上げ下げを行いました。
9月9日(水) 佐々木由喜雄(制作チーフ)
 舞台美術である吊り下げの3点の企画は、初めは違うものだった。
 3つの場面(カフェレストラン&高級バー&カジノ)の背景を、畳1枚程度の大きさの書割(カキワリ=絵)にしたい、という会長のお考えを伺って、いつもクリスマスにお世話になっている大道具専門会社、(株)エクスアドメディア浦和の中村社長に相談した。
 何しろ予算がないので、と言ったにもかかわらず、カキワリとは別に「例えばァ・・」と言いながら、社長はその場でノートに簡単なマンガを走り書きしてくれた。
 それをカキワリの絵と共に会長宅に持って行ったのだが、会長は直ぐにそのマンガの方を見てピンと来たらしく「いいね、これでいこう。あとは頼むよ」「あの、ヨ、予算が・・・」と、後の言葉は呑み込むしかなかった。
 事前稽古日である9/15(火)に間に合うように、特急で作ってくれたのは大変ありがたかったのだが、見積書を見て凍りついた。桁が違う!
 早速、会長に相談したところ、「あ、そう。予算は安い方がいいけど、任すよ。ま、あんまり先方をイジメないように」・・イジメた。中村社長に大感謝、合掌。
 チケットについては、いつもプリあらの司会で一緒のハルちゃん(隅谷治子さん)に助けてもらった。プリンあらモードマジッククラブ、ぺるちゃん、魔法招会さんの3つのルートで販売したところ、ありがたい事に、本番1ヶ月前で3回公演とも完売となっていた。
 人一倍真面目なハルちゃんは、パッションローズ゛(ぺるちゃんを含む13名のダンシングチーム)のリーダーとして忙しい中、その全ての流れを把握しながら管理してくれた。安心して任せられた。
隅谷治子(会計、事務、パッションローズ)
 私は、ハリウッドの映画が大好きです。荒木会長のお宅にあるホームシアターでは、映画館を超える圧倒的な高画質と高音質で映画を鑑賞させてもらえます。この環境で鑑賞してはじめて、その一つの作品に、どれだけ多くの人が、一つの目的にむかって一直線に進み、そのことを楽しんでいるかということが感じとれます。
 ある時、会長から「自分の目標がはっきりと見え、しかも、それがワクワクするような楽しいことだと伝えてあげられたら、人は本来の力を100%以上発揮しようとするものだ」と、教わったことがあります。
 向かう楽しみが多ければ多いほど、人の力が情熱となり、多くの人々に感動を与える。今回のぺるライブは、まさにそれでした!
 あの大舞台、会長が参加するリハーサルは9月15日と10月1日の、たったの2回です。
 しかもゲネプロは、開演直前。えっ?これで本番が始まってしまうの?大丈夫?
 もう、ぶっつけ本番と同じような感覚でした。本番が始まってからも、時間通り、失敗なく終わるのか、正直、不安でした。
 でも、自分は与えられた役割をしっかりと果たすしかないと、誰もがそう思い、みんながやるべきことに対して一生懸命向かっていました。
 私は、パッションローズの一員として出演させてもらいましたが、2時間の上演中、自分の出番以外は、キャットウォークと呼ばれる舞台袖上に設置された狭い通路からステージと客席をみていました。
 こんなに狭い劇場の裏側で、これだけたくさんの人が、動いている。ぺるちゃんも頑張っている、スタッフと出演わ兼ねるみなさんも頑張っている、魔法招会チームも!!
 場面転換など、うまくいくかな? などハラハラどきどきしながら見ていましたが、みんなの一生懸命さ、必死さ、真剣さに、ライブで流れる音楽がオーバーラップし、途中なんども、感動で涙がでそうになりました。
 振り返って見れば、こんな素晴らしいステージが作られるなんて、奇跡としか思えませんでした。
9月15日(火) 佐々木由喜雄(制作チーフ)
 唯一の事前稽古の日である。午前10時に東演パラータに終結。
 この劇場を熟知している舞台監督の古舘さんの指示で、15尺の大脚立が組み立てられ、オペラカーテンが吊り下げられた。
 古舘さんの指導で、佐藤理恵さんが独りで作りあげたもので、銀ラメ状の美しい幕である。そして、早朝に、堀さんの車で引き取ってきた3点の吊りモノを仕込んだ。
 この劇場はバトンが固定式で降りてこないので、照明機材を含むあらゆる吊りモノは、この1台の大脚立を使い回すしかない。大変だ。
 下手(シモテ)には、BARの看板と、銘柄の違う7本の高級ボトル。上手(カミテ)には、昼間のカフェテラスの白い窓。これまた理恵ちゃん製作のお洒落なカーテン付き。
 3つ目は、電飾付きの派手なカジノの看板。サイズといいデザインといい、ビッタリな感じだ。
 午後、会長が現場入り。ぺるちゃんを中心に全体の流れや立ち位置のチェックなど、簡単な場当たり。パッションローズと上下(カミシモ)のスパイダーカーテンの位置の調整。3点の吊りモノは位置の調整だけで、出来映えは会長からOKが出た。ホッ。
 その後、移動して、梅ヶ丘パークホールで全員揃っての通し稽古。

 撤収が終わって会長宅での打ち合わせの時、3点の吊りモノに不安あり、との非難が集中。作業が難しく、場面転換の時間内にできるはずがないという。
 自分としては、素人が扱えるようにと念押しして、取り扱い易い特殊な金具を付けてもらっていたので自信があった。が、多勢に無勢と言おうか、声の大きさと言おうか、孤立しかかった。
 その時、「うるさい、黙れ、これでいく。佐々木が大丈夫と言ったら大丈夫なんだ」
一瞬、混乱した。自分の心の声・・・? 無意識にキレてしまったのか?・・違った、<宇宙人>の天の声だった。体に電気が走った。絶対成功させる!
 稽古の翌日、古舘さんから仰天の電話。今回、舞台監督を降りたいとの事。
 それまでも連絡時に色々とお叱りを受けながらご指導頂いてきたが、結局、私の気配り不足が直接の原因。甘え過ぎで頭が悪いとのご指摘、度々あり。
 何度かのやり取りの後、「張り詰めた糸が切れた、このままでは達成感も湧かないので降ります」との事だった。会長に報告。
 「居ない方が、佐々木も楽だろう」の一言。舞台監督なしでいく事になる。

堀 友成(舞台美術他)
 当初、バーからカジノへの転換で、舞台監督の古館さんが「無理」とか「出来ない」とか言ってましたが、会長が「出来る」と言っているし、自分でもイメージの中では出来ているので、佐々木さんから「出来るかな」と聞かれたとき、すぐさま「出来ます」と答えていました。
 リハの時、初めて会長の前でその場面転換を行った時、2分以内で出来なければならないところ、3分かかってしまいました。会長から「出来るのか?」と聞かれましたが、落ち着けば出来るはずなので即答で「出来ます。やらせてください」と答え、再度チャレンジ。
 結果は、1分で出来ました。思わずガッツポーズをしていた自分に気づきました。
佐藤理恵(スチール&バックカーテン制作)
 映画やマジックのDVDにでてくる、両サイドをたくし上げた舞台のバックカーテン、作ってみたいなあと思いながらも、「オペラカーテン」という名前さえ知りませんでした。でも、その念願の「オペラカーテン」をこのライブで教えていただき、作らせてもらいました!
 舞台全体のバックになるカーテンは照明によって、いくらでも変化するため、生地はあらかじめ照明の加納さんと相談され選ばれたものです。
 リハーサルの日、高さ5.5mもあるカーテンを5m近い脚立に乗って、天井のポールにくくり付けます。全部が下がり、照明が当たったとき…感動しました。が…感動はそれだけではありませんでした。オペラカーテンの前でペルちゃんが立ち、リハーサルが始まります。えっ・・・もの凄く綺麗!
 私は、スチール写真も担当させてもらっていたので、照明がカーテンにあたり、その前にペルちゃんが立っていると…ドキドキ、ワクワクして、気持ちが高ぶります!あんなに「写真を撮りたい!」という気持ちになったのは初めてです!
 今回は、とにかく「照明が綺麗!!」という声をたくさん聞きました。誰が見てもステージが華やかで、そこにいる誰もが照明によって舞台が綺麗になっているものだと思っていました。
 でも、その照明の綺麗さに一番、衝撃をうけていたのが、照明担当の加納さんだったんです。
 打ち上げのとき、照明の加納さんが、ビールを飲みながら話してくれました。「長年、照明を仕事としてやっているのだから、どんな照明にしたら、ぺるちゃんが綺麗になるか分かっている。
 だから、そうなるよう照明を用意したけど、当ててみたら、それ以上にぺるちゃんが綺麗になったので、びっくりしました・・」と。
 ライブのオープニングとラスト、パッションローズに向かえられ、オペラカーテンが開きペルちゃんが登場しました。その美しさ。すべてのシーンが、加納さんの言うように、素敵なハリウッド映画のシーンとして、そして、その中にぺるちゃんが美しく登場するように作られていたんです。
 きっと、プロの方でもめったに巡り合えない体験を、させてもらったんだなーと、今も思い出すだけで興奮します。ありがとうございました。
福田徳彦(芝居関連のチーフ)
 去年の秋のある例会の折、荒木会長から「今度、ぺるちゃんがソロライブをやるから、ちょっと手伝ってくれないか?」とお誘いを受けました。
 その時は、陰で手品道具の出し入れをする裏方だろうと思って、軽い気持ちで引き受けたのですが、後で詳細を聞くと、場所は東演パラータという古くからある小劇場。全編を音楽でつないで、場面転換もそれに合わせて見せながら行うとのこと。
 こりゃ大変だ!
 営業がらみのマジックショーではなく、ミュージカル系の演劇形式じゃないですか!しかもスタッフなのに衣装を替えて小芝居しながら場面転換をして、ぺるちゃんのマジックに絡んで演技もしなければなりません。
 進行を止めるのは許されないので、場面転換担当の4人の男どもとジャグリングのピーロさんまで集まって、段取りの確認と練習をしました。
 おっさん達が集まって夜遅くまで、右往左往しました。とにかく劇場に入って、やってみないと分からないことも多くて不安でしたが(ゲネプロが終わったのが開場の15分前!)、荒木会長の演出のもと、単なる場面転換がストーリー性のある芝居になり、重層的なステージになりました。
 場面転換は観客のイメージを作り出す芝居というより、好き勝手にやってるコントみたいになって行きました。
 大変だったけど楽しかった。それが一番!。みなさんお疲れ様でした。
9月22日(火),23日(水),26日(土) 佐々木由喜雄(制作チーフ)
 福田君企画の自主稽古日。
 15日の唯一の全体稽古が、現役の役者さんである福田君の危機感をあおった。自から稽古場を手配し、主要メンバーの合同稽古となる。
 ピーロさんと場面転換4人組(福田,堀,村岡,佐々木)、ぺるちゃん、花のマジック担当の今田さん、魔法招会若手マジシャンのナオキング君等が、時間で入れ替わりながら参加した。
 具体的な細かい部分まで、曖昧な箇所がチェック出来て大変ありがたかった。本番直前にシルバーウィーク(連休)があった事も大ラッキーだった。
 何と、福田君の力で稽古場の会場費も無料だった(?)
ピーロ/木村宏信(パントマイムによる進行係)
 どもピーロです。プリあらには2年前からちょくちょくお邪魔していて、今回、荒木会長より「主にタイトル出しを面白くやって欲しい」と言われて出ることになりました。
 当初はできるのか半信半疑でしたが、意外にも次々とアイデアが浮かび、その点では困りませんでした。機会を頂けなければできなかったことなので、その点、感謝しております。
 当日までのスケジュールが不安でしたが、(全員そろっての合同での稽古日数が2日しかない)結果的に何とかなってしまったことが不思議です(福田さんの舞台経験と佐々木さんのリーダーシップが大きかった!!)。
 舞台を通すごとに流れがスムーズになっていくのが明らさまにわかりました。
 特に最終回の時は、お客さんのボルテージも一潮で舞台袖で一人感動して泣きそうになるのをこらえていました。
 もし、また機会があれば何かしらの形で協力できればと思っています(次回はもう少し合同稽古日を増やして欲しい!!)。
 舞台を通して皆さんが感じるぺるさんの魅力にも気づきました。ありがとうございました
山田秀樹(大道具・小道具製作と裏方)
 今回の「Peruライブ1」に裏方として、道具の出し捌けを家内と共に手伝わせていただきました。また、プロデューサーの要請を受けテーブルやカップ等の製作もさせていただきました。
 本番を客席から見ることはできませんでしたが、裏方として、一つ一つのコーナーに対する客席の盛り上がり、歓声・拍手でステージの素晴らしさの一部を感じることができ、ライブの成功を実感しました。
 いま、このステージを作っている側の一員として(たいしたことはできませんでしたが)、観客としては得られない感動と達成感を感じています。
 それにしても、プロデューサーである荒木会長のあらゆる分野における超人的なセンス、加えて製作担当として舞台監督なしでスタッフを一丸とさせた佐々木さんの情熱には心底脱帽です。
山田恵美子(裏方全般)
 最初に「Peru ライブ」のチラシを見た時に、どんなライブになるんだろうとすごくワクワクしました。佐々木さんを中心にしたスタッフのみんなさんが一生懸命がんばっている姿をみていると自分にもなにかできることがないかなぁという思いが大きくなっていました。
 ライブ前日に佐々木さんから舞台裏の整理を主人と2人でしてほしいと言われ、「うれしい」と思ったのですが、そのあとに私にできるか不安になりました。
 当日、私が心がけたのは、Peruちゃんをはじめとする出演者のみなさんが道具でいっぱいの舞台裏を安全に通れるようにとか、場面ごとの道具の出し捌けがスムーズにできるようになどでした。
 みんなで作りあげる一体感、そして終わった後の感動、充実感、とてもいい経験をさせていただきました。ありがとうございました。                                    
関口伸光(観客&花瓶製作)
 「Peru Live One」最高でした!!! 今まで見たどんなライブも比較にならないほどの最高に素晴らしいライブでした!
 荒木会長のプロデュースによって、ぺるちゃんの魅力がここまで引き出されるとは・・・恐れ入りました!! ぺるちゃんが本当に輝いていました! これを見てぺるちゃんを好きにならない人はおそらくいないでしょう(笑)私は根っからのぺるちゃんファンで3回全て観たのですが、素晴らしいものは何回観ても飽きることなんかありません!
 まずは、オープニングのダンスでぺるちゃんを見た時、あまりの痩せっぷりに一瞬固まりました!ダイエットしていた事は知っていたけど、ここまでしてこのライヴに賭けていたとは・・・感極まってどっと涙が溢れてきました。
 2時間の中、会場はブロードウェイのようになり、映画の1シーンのようでもあり、はたまたTVドラマのようでもあり・・・その演出はどこを取っても飽きさせる事のない、まさに完璧な構成・演出でした!音楽も最高でした!
 最初の演目「ぺるの花の命は短くて」にはいろんな思いが詰まっています。実は、今回、私はこの演技で使用する「花瓶」の製作に関わらせて頂いたので、その瞬間が来るまで、まるで自分の出番を待つかのように緊張しました。
 そして演技を見た時、なんとも言えず嬉しい気持になりました。自分の製作した花瓶がこんな素敵な演技に使用して頂けるなんて、なんとも言えず嬉しい気持でいっぱいになりました!ぺるちゃんのこんな素敵な演目に関われて最高に幸せでした!製作の依頼を頂いた事、感謝しております。
ジン工房(マジックの小道具制作)
 ぺるライブ....... 聞いた時は他人事でした。単に『ぺるちゃん頑張ってね』って。
 「プリあら」のアフターの時、会長と話をしていて何気に意見を言った結果、いつの間にかお手伝いすることになりました。
 主に「ぺるの花の命は短くて」の花びらと葉っぱが落ちる仕掛けを担当しましたが、はっきり言って、大変でした。実は私は電気関係は全くの専門外。同じプリあらあら会員の方にアドバイスを貰ったり、秋葉原のマニアしか行かない露店に行き、専門家に相談をしました。
 しかし、他人は頼れないことを痛感しました。特に、秋葉原の方は『そんなの無理』『あんなみたいな事を発想する人は五万といる。でも所詮素人考え。こんな事を相談した全員から言われました。秋葉原は素人には冷たい街です。
 でも、知ったかぶりをせず裸になり相談していたら、一人だけ心を開いて相談に乗ってくれた人がいました。その人も無理だとは言ってましたが、私の色々な素人質問について親切に説明してくれました。でも、偉そうに説明されるので、正直、内心は心穏やかでは無かったです(笑)お礼に、部品の殆どはこのお店で買いました。
 専門家も無理と言うし、私も無理だと半ば思っていました。しかし、話の流れとは言え引き受けてしまったので、今更会長に出来ません、とは言えない。どうしたら良いものか・・・実験しては新しい部品を秋葉原に買いに行き、そしてまた実験、この繰り返しでした。
 ある時、壊れてしまった部品を秋葉原に買いに行きました。会計時にバックを明けると財布が無い、焦りました。また自宅に戻って秋葉原に来なければ駄目なの????
 普通の人なら、すぐに自宅へ戻りますが、私は無駄な事に支出するのが嫌なので、電車は余程の事が無い限り利用しません。移動は99%自転車です。実際、財布なしで外出することは稀ではありません。それでも、全く不自由してません。しかし、あの日は別でした。さて、どうしたか?
 偶然ですけど、スタッフの斉藤さんが合羽橋に買物に来ている事を、隅谷さんから聞いていましたので連絡を取ってみました。すると、偶然にも今、合羽橋の駅にいて乗車寸前だったようです。そこで、無理を言って上野駅で合流して5千円を借りました。人にお金を貸すことはあっても、借りることはまず無い私が、借金をしてしまいました。
 でも、そのお陰で、無事に部品を購入することが出来たわけです。ラッキーでした。
 それからも色々と難題はありましたが、試行錯誤の結果、福田さんの企画したプチリハーサル前々日に作品が完成しました。しかし、花が重すぎて、茎を持った時に花が落ちてしまう可能性が非常に高いことが発覚したのです。動作は完璧なのに、思わぬ箇所に落とし穴があった訳です。
 仕方なく応急処置で、あり合せの部品で間に合わせました。あぁ、折角綺麗に完成したのに、、、と、作品を分解しながら思っていました。
 その時にアイデアを与えてくれたのは、なんと同い年のデスノート福田さんでした。彼の何気ない閃きと提案が作品を制作するための大きなヒントとなりました。
 その後、リハーサルやゲネプロを経て本番を迎えましたが、初日のゴタゴタでぺるちゃんが動揺してるのを励まそうとした結果、それが逆目に出て花びらを落とすことが出来ませんでした。
 作品が完璧でも他のアクシデントで成果が得られないんではダメだ。どんな状況でもちゃんとした成果を得るには、どうしたら良いのか? 自転車での帰路、ひたすら考えていました。・・・よく事故らなかったなぁ(笑)
 帰りついて閃いたのが自爆装置です。
 私は昔、航空機の整備をしていましたが、その時の事を思い出しました。航空機には、一つの機能についても最低でも1個予備システムが備わっています。例えばエンジンは2つあります。1つ壊れても残りの1つが生きてさえいれば飛行は可能です。
 それをヒントに、問題が発生しても少しでも回避できるシステムを作ろうと決心しました。かなり疲れていましたが、帰宅後もフル回転で自爆装置の製作に取り掛かりました。もう失敗して、会長の信用を失いたくないからですね。
 結果、何とか目的を遂げることが出来ました。しかし、私が焦りすぎて、2回目のショーの時に、早く装置を作動させてしまいました。それが悔やまれてなりません。
 みなさん、この作品を見て凄いねぇ・・・などと褒めてくれましたが、私独りの力で完成したわけではありません。この様に沢山の方々のお陰で、作品を完成させることが出来ました。もしも、その中の誰か一人に出会わなかったら、作品は完成しなかったと思います。みなさんに感謝です。
 お陰様で、電気関係に多少は明るくなることが出来ました。今回の経験は、何かしら今後の製作に活かせると思います。ありがとうございました。
佐々木由喜雄(制作チーフ)
 今回のイベントは、単独ライブをやりたいというぺるちゃんの情熱を受けて、構成・演出・総合プロデュースの全てを荒木会長が引き受け、企画されたものであり、直接的には、ぺるちゃんの所属事務所であるK社さんのご協力は必要としなかった。
 もちろん、ライブ開催の了解は取りながら進めていた。チケットに関しては、自社タレントの初ライブでもあり、当然、応援もしたいだろうし、重要な招待客も居るのではないかと思い、念のため、K社さんにも、お声をかけた。
 ぺるちゃん担当のSマネージャーに、主旨をお話しして「もしご希望があれば、招待を含めてチケットをお回しできます」と言うと、「前例がありませんので、上司に相談してから連絡します」との事。自社タレントの応援をするのに<前例がない>とは?意味不明だった。
 自社主催のイベント以外の、タレントが勝手にやるライブなどのチケットは一切取り扱わないのだそうだ。冷たいもんなんだなァ。
 「もちろん、ぺるの為ですから」と、喜んでチケットを引き受けた魔法招会さんとはエライ違いだった。
 Sマネージャーからは、その後、なんの連絡もなかった。
 
 劇場常設のカーペットが長年使われているため汚れがひどく、照明の加納さんに意見を聞いた。「それは上に敷いた方が、きれいになっていいスよ。」
 クリスマス用のカーペットがあるにはある。ただし切る訳にはいかないし、やるとなると、本番の前日の稽古日の朝しかない。リハの時間に食い込む。サイズが合うかどうかを図面で何度もチェックして、堀さんに電話。
 「広さはクリスマスの半分位で、単純に4枚でいけそうなんだけど、俺と2人で1時間でできるかな?」「できますよ。」・・軽い。この自信は何処からくるのか。今回はこの軽さに後押しされた。その後に照明の仕込みもあるし、「時間的に大丈夫か?」と、会長に聞かれ、「大丈夫です」と、言ってしまった。
10月1日(木) 佐々木由喜雄(制作チーフ)
 東演パラータ。本番前日。現場仕込み及び直前本格稽古日。
 10時からまずパンチを1時間で敷き、ステージを照明の仕込みをする加納さんに渡す、という計画は、ステージ上の平台(ヒラダイ)と箱馬(ハコウマ)の山、これを運ぶのにアッサリとつぶされた。
 舞台にセットを組む基礎となる平台(体感重量20kg以上)を約20台と箱馬(重量3kg程度の木箱)を30ケほど。何はさておき、階段を上って3階まで持って行かなくてはならなくなった。
 聞いてないよ!と言っても始まらない。人手は我々しかないのだ。一台目は福田君、「しゃあない、やりましょう!」と、台詞には余裕があるが、声には余裕がない。こめかみの血管が浮いていた。自分もひとりで3階まで運んでみた。とにかく重いし、運びにくい、参った。一気に汗が吹き出した。とにかくみんな力を合わせて運んだ。ハルちゃんの力に驚いた。大食いはダテじゃない。馬力のありそうな堀さんの額からも、汗がしたたり落ちた。
 結局、舞台の片付けとパンチカーペットを敷くだけで、2時間以上もかかってしまい、みんな汗だくでヘロヘロになっていた。
カッシー(マジカルエッグ他、色々)
 Kassyです。ぺるライブに出演された皆様、お疲れ様でした。
 今回、新たな試みでのぺるライブとなりましたが、荒木会長の演出や道具を作ってくださいました皆様、スタッフの方々のご協力もと、想像以上の素晴らしいライブが出来たと思います。
 今回Kassyは衣装の改造や道具置き場(笑)などの協力となりました。始めは「こいつ(ぺる)大丈夫か?・・・」と思いながら様子を見ていたのですが、魔法招会事務所に、ほぼ住み込みで夜な夜なの特訓をしつづけ、確実に上達していく姿を見て本番がとても楽しみになりました。まあ、部屋の中の散らかり具合は相変わらずのひどい有様でしたが・・。
 ライブ準備にあたってもう一つ頑張っていたこといえば。
 「ぺるダイエット」
 毎日毎日野菜スープを作りながら、それ以外は食べないというダイエットを行っていたぺる。Kassyが夕飯を作ろうとすると、既に鍋は使用されていて他のものが作れない。結局、皆で毎日野菜スープにつきあうことに。
 スープの味はまちまちで、食べることが困難な時もありました。このことにより更にダイエットが進み、ライブ当日はファスナーが上げやすくなるほどの成果が見られました!ライブダイエット成功おめでとう!
 と思った翌日にはケーキだお菓子だ肉だとふんだんに摂取していましたけど。(はぁ?・・)
 ライブをやらせていただき、私を始め、魔法招会の皆の成長につながった事は間違いありません。今回自分でも初めてのキャラとして「カッシー宝石店のオーナー」などやらせていただきましたが、とても楽しくて、自分の芸の広がりも持てました。本当にありがとうございました。
しんざまなぶ(警備員・マジック小道具検査役)
 警備員の衣装が異常に似合ってると言われたしんざまなぶです。
 3回公演が無事(!?)終わってほっとしてます。
 今回エキストラや裏方や練習の監督など、ちょっとずついろいろ関わらせていただいたわけですが、その中でも大変だったのが直前の道具製作です。
 本番1週間ほどまえにぺるさんから連絡がありまして。
 「しんざ、噴水カード持ってる?もしくは作れる?」
 「持ってないけどまぁ作れるよ。」
 「いやぁ、たぶん、私持ってるんだけど部屋がきたなくて見つけられないのよ。あさってまでにお願い!」
 「???!」
 作りました。
 そりゃあ泥棒が入ったとおまわりさんが勘違いするくらいちらかってるんだろうけど、探しましょうよ、ぺるさん。
 関わった皆様もご覧になった皆様もいろいろ大変なことがあったことでしょう。。。
 ありがとうございました&お疲れ様でした!
西ゆかり(マジカルエッグ)
 ぺるライブはとても勉強なりました。皆で1つになって協力し、良い物を作ろうとする事の素晴らしさ、後、荒木会長のマジックの表現に関しての感性を知る事ができ、本当に良かったです。
 なんちゃって真面目感じで書いちゃいますたぁ。
 ぺるに負けてはいられないので、女王様も単独ライブ出来る様に頑張るぞぉー!いつになるか分からないけど・・(笑)
隅谷治子(会計、事務、パッションローズ)
 今回、パッションローズの面倒をみてもらった、ドルフィンマジックカンパニーのあさおかるいさんには、感謝の気持ちで一杯です。るいさんに振り付けをお願いすることになったとき、最初にお電話をしたら「自分には自信がないから」と断られてしまいました。
 でも、会長とお電話で話された後、「私は誰にも負けない位ダンスを愛しています。せっかく会長が直々に自分を指名してくれたので、期待にそえられるかどうかはわかりませんが、何とかいい方向に向いて行けば...」と引き受けてくださったのです。
 私が入ってからのパッションローズの歴史のなかで、衣装をはじめ、振り付け、構成など、周りの人からここまで褒められたのは初めてです!るいさんの熱い思いが13名というパッションローズ全員を引っ張ってくれました。
 ぺるちゃんは本当に素敵でした。
 ぺるちゃんとるいさんと私の3人で初めてレッスンをしたとき、(パッションローズのみんなも結構、身体が固いけど)ぺるちゃんは今まで見たことないくらい身体が固くて、えっっーーー!!とるいさんと顔を見合わせてしまいました。
 パッションローズの一番の目的は、ぺるちゃんを綺麗にかっこよく見せること。果たして、このままで、その使命が遂行されるのだろうか?レッスンが始まってからも、このパートの振り付けは、ぺるちゃんには難しいかも、、、このステップは、ぺるちゃんにはできないかも、、と心配事が一杯ありましたが、ぺるちゃんは本当に頑張って練習してくれました!! 
 滅多に人を褒めないるいさんが、ぺるちゃん頑張ったと褒めてくださいました。ぺるちゃんもるいさんもすごい!!私は、ただただ横で、お二人の頑張りをみるだけでした。
秋山直子(パッションローズ)
 今回パッションローズの一員として参加させていただきました。去年のX'masに引き続き、娘のリコと友達の奈央、そして今回初、友達親子麻子ちゃんとあずが加えて参加し、埼玉からいつも私の小さな車にすし詰め状態で相乗りしてレッスンに行ってました。
 親子でありながら、同じチームメイトなので、いつもの関係とはまた違った話しもたくさんできました。ちょうど子供たちは小学五年と6年で女の子としても自我が目覚め、母達との距離が近くなってくる年頃です。扱いにくいところも出てくるところですが、同じ目標を持つので協力したりお互いに思いやりを持てたりとても気持ちの良い心の動きが見え、お互い成長できたと思います。
 荒木会長プロデュースの中、プロマジシャンで熱い志を持つるいさんにダンス指導していただいたり、ダンサーのひとみさんやプロの芸人さん、スタッフの方々と身近に接する事ができたことは本当にありがたかったです。
 終わってしまえば、本当に感謝すべき事だったとわかるのに、渦中にいて自分がいっぱいいっぱいの時は、もう時間と体力の無さに、今年が最後かもノなんて思ったりしました。その都度、メンバーの姿勢や存在に励まされました。
 パッションローズも10人以上いると、色々な個性の集団で、性格、趣味、年齢、環境、みんな違った人達が自分の良いところや得意な事を引き出し合って参加できたと思います。
 今度はダンスとしてのレベルアップをもっとして、また進化したパッションローズがX'masパーティーで披露できるように頑張ります。
 本当にこのライブに参加させていただいた事、心から感謝します。
秋山莉瑚(パッションローズ・キッズチーム)
 昔からぺるちゃんの事を知っていて、可愛いなぁと憧れていました。そのぺるちゃんの初めてのライブに出演させてもらえると決まった時はすごく嬉しくて、本当かなぁと思ったり、聞いてすぐ緊張したりしました。q(>_<、)q
 友達の奈央とあずも一緒にダンスで出演させてもらえて本当に嬉しかったです。3人とも性格が違うし大丈夫かなぁと思ったけど、土・日はダンスでずっと毎週会っていたので前よりも、3人とも仲良くなれたかなと思います(^▽^)
 奈央とは去年一緒におどらせてもらったけど、あずはパッションローズがまだ今回初めてだったし最初から人見知りな性格で自分から挨拶をしない静かな子だったのに、ライブの練習をはじめてから凄く性格が変わって自分からすすんで挨拶もするし、あまり人見知りをしなくなりました。あずは自分でも、「あずって変わったよね?」と言っていました。
 ライブはとても楽しかったです。終わったあとも3人でもう一回やりたいね、毎日でもいいね(#^.^#)(#^.^#)と言っていました。
 たまにしか会えないと思っていたぺるちゃんにも毎週のように会えてほんとに嬉しかったです。
 こんな楽しい事を経験出来るのも荒木先生のおかげだと思います。このようなチャンスをくれて本当にありがとうございました。
五十嵐ひとみ(パッションローズ&振り付けアシスタント)
 私にとって久々のステージは、もうーー楽しくてテンションが上がりまくって、自分自身を冷静に落ち着かせるのが大変でした(笑)。
 もっともっと踊っていたかったです。全然踊り足りなーい('-^*)/ 
 クリスマス、またみんなで踊れることを楽しみにしてます!
小川佳奈子(パッションローズ)
 私は今回のぺるLIVE・ONEで、オープニングとエンディングのダンスに出演させて頂きました。パッションローズの一員として舞台で踊ったことは、私にとっては夢のような出来事でした。ライブが終わった今でも、自分があの素晴らしい舞台に立って踊ったなんて、まるで奇跡のような信じられない気持ちです。
 ダンスを習うことは子どもの頃からの憧れでした。色々なスクールを渡り歩き、ようやく自分に合ったスクールを見つけ、ジャズダンスを始めたのが今年4月のことです。
 硬かった身体が徐々に柔らかくなって、簡単なステップを教えてもらうだけで喜びを感じていましたが、踊る楽しさを覚えると、いつかは綺麗な衣装を着て人前で踊ってみたいと強く思うようになりました。
 しかし、私が通っているスクール主催の発表会は参加費が高く、初心者の私には・・と踏み止まっていたところに、パッションローズへと誘ってくださったのが、メンバーの今村美佳さんでした。
 美佳さんと出会っていなかったら、この舞台で踊るなんてことは有り得なかったわけで、大げさな私はこの出会いでさえ奇跡なのだと、勝手に思い込んでいます。
 パッションローズのメンバーは、どの方も気さくで、優しく、何よりエネルギーに満ち溢れている方ばかりなので、レッスンの度、身体はへとへとになりながらも、いつも元気を頂きました。
 ぺるちゃんのライブで踊ることになったと聞いた時は、「えらいことになったノ」と言うのが本音でした。
 マジシャンでもある、あさおかるいさんが振り付けをして下さるのだと教えて頂いても、舞台やマジックとも無縁に生きてきた私にとって、何もかもが想像を超えていて、ことの大きさが実感できず、唯々、自分が踊れるようになるのか不安になるばかりでした。
 ライブ直前のゲネプロになっても、私の頭の中は自分が踊るダンスのことで一杯でした。この時の私には、ライブを作り上げる一員としての自覚が薄く、ぺるちゃんのライブを、自分の為に始めたダンスの延長線上に置いてしまっていたのだと思います。
 そんな私が、オープニングダンスの出番を舞台裏で待っている時でした。
 今までに味わったことのないほどの緊張感に包まれました。今にも心臓が飛び出そうなくらいのその緊張感は、まさしく「高まっていく」と言う表現がぴったりの空気でした。
 それは、たくさんの方がこのライブに関わっていて、みんなそれぞれが自分の役割に真剣に向き合っているからこそ生まれる一体感のようで、自分は今とても貴重な場所にいるんだ!とさらにドキドキ感が増すものでした。
 この空気が、私にこの日の為に頑張って来たダンスを笑顔で精一杯踊ることで、ライブに関わる一員としてライブを盛り上げ、お客さんを楽しませることが出来るのだと教えてくれました。
 それでも本番中は、頭の中が真っ白になってしまい、お客さんを見る余裕もありませんでしたが、観に来てくれた友人や家族が「とても楽しそうに踊っていて、観ていて楽しくなったよ」と言ってくれたので、自分の役割も少しは果たせたのかなと、嬉しい気持ちになりました。
 憧れの舞台で、笑顔を絶やさず踊りきれたことは、私にとって自信にもなりました。あっという間の2日間で、ライブで踊ったことが本当に信じられないくらいですが、諦めずダンスを始めたこと、パッションローズの一員になれたこと、るいさんにレッスンをして頂いたこと、衣装作りやメイクに挑戦したこと、半年前の私が想像もしていなかった奇跡のような出来事が積み重なって、今のこの充実感があるのだと思います。
 このような貴重な経験の場を頂けたことを心から感謝しています。
あさおか るい(振り付け)
 「Peru Live ONE」の御成功、心よりお喜び申し上げます。そしてぺるちゃんを初め出演者の皆々様、制作スタッフ、裏方スタッフ(ライヴにたずさわった方々の名前全てを書ききれなく、省略させて頂く事をお許し下さい)そして、プロデューサー荒木会長、本当にお疲れ様でした。また、ライヴを観に来て下さったお客様、本当に有難うございました。
 振り付けを依頼された時は、本当に面食らってしまい、一度はお断りしました。現在は、マジシャンとして舞台に立っているので、現役バリバリダンサーとしては随分遠ざかっていますし・・。どうにしろ、踊り手と作り手は別です・・し。
 なんで会長は私などに・・と、思ったものでした。
 ところが一旦断ったものの、脅すように色んな想いが、私に襲いかかって来ました。
 私のダンスの師匠、名倉加代子先生は、その昔私の将来を心配して、インストラクターという道を私に勧めました。・・でも当時私は、その気持ちを受け入れる止める事は出来ませんでした。
 『チャンスは、やって来るものではなく、自分でつかむもの・・』今断ってしまったら、昔と変わらない自分を、また繰り返すだけ・・。チャンスは何度も訪れない・・。
 そして、清水の舞台から飛び降りる覚悟で(大袈裟でなく)引き受けたのです。
 結果を恐れてばかりでは、何も変わらない・・何も残らない。踏み込む勇気こそが、自分を変える?そう信じて今回、振り付け師として参加させて頂きました。
 プリあらの皆様には私の事を『マジシャンあさおかるい』としていつも暖かく迎えて頂き、とても有難く感じていました。この感謝の気持ちを『ダンサーあさおかるい』で、お応え出来た事こそが、自然の成り行きだった・・と思っています。
 最後に直接関わった方々に、メッセージをお贈りしたいと思います。
【ぺるちゃん】
 ダンスが苦手でも、次の稽古までには、なんとかマスターして来る貴女には脱帽しましたよ。プロの根性を見せて頂きました。これからもダンスを続けて、ステージで美しく魅せれるマジシャン目指して、精進して下さいね!?

【ひとみちゃん】
 今回、振り付け助手としてお願いしていたはずが・・気付けばパッションローズとして、踊っていましたね。やっぱり裏方より、表方の方が楽しかったのですね。子供の手が掛からなくなったら、また一緒にマジックユニットを組みましょう。その時は、サブ宜しく!! 気長に待っていますよ。この度は、久しぶりの舞台復活おめでとうございました。

【治ちゃん】
 会長やぺるちゃん、パッションのメンバーに挟まれて、色々苦労が絶えなかったでしょうね。会長に恥をかかせたくないのなら、愉しいだけで舞台に立ってはいけない等と、時には厳しく意見した時も、ありましたね。これからもパッションのリーダーとして、益々の躍進を!!期待しています。色んな想いを込めて・・有難うございました。

【かなえさん】
 治ちゃんのサブとして大活躍&大奮闘、ご苦労様でした。
 貴女の計り知れない優しさで、これからもパッションの潤滑油として、治ちゃんをしっかりサポートしていって下さいね。
 また、相談にも乗って頂いて、有難うございました。

【直ちゃん】
 いつもキッズの面倒を見て頂き(衣装も作って頂き)有難うございました。
 又、パッションのメイクも見て頂いたり・・と、とても頼りがいのある一面が、ダンスと共に光っていましたよ。今度は是非シンブルのマジックを、見せて下さいね!!ダンスもマジックも、期待しています。

【悦ちゃん】
 ダンスの遅れを取り戻そうと、遠い家から朝イチ稽古に来ていた悦ちゃんの姿をを見て、頑張りと根性を垣間見ました。自分を変える為にダンスを始めたからには、もっと自分に自信を・・。この世に不要な人間なんていません!? みんな、何らかの使命を持って、この世に生を受けているのだから?

【美佳さん】
 パッションの情熱を反映する様に、赤がとってもお似合いでしたよ。ダンサーのスピリットもあったので、多少厳しく指導しましたが、ちゃんと付いて来て頂きました。身体の管理をする事もダンサーとしての務めですので、怪我や故障の無いように・・気を付けてこれからも頑張って下さいね!!

【ゆりさん】
 遅れたダンスをビデオに収めて、家で自習して来るという、今時のハイテクを活用して、あれよあれよと言う間に追い付いて来たのには、驚きました。
 改めてキャリアウーマンのパワーを見せつけられました。この意地をプラスに生かして、益々上達する事を、期待しています!!

【ユッキー】
 後半出席率が減って、どんどんみんなから取り残されて・・とても心配しました。厳しくしたから、ダンスが嫌いになったのかな?って、思ったりしましたよ。ダンスを始めたのには、何かしら理由があるのでしょう?人生一回きりなんだから? 死ぬ気でやれば、必ず答えが返って来るはず・・。これからも頑張りましょうね!!

【かなちゃん】
 初舞台おめでとうございます。貴女の笑顔で、プリあらメンズ軍団がどれほど癒されたことか・・。普段は化粧っけも無く、メガネで過ごされているそうで・・。ダンスに憧れ、お洒落に目覚める・・そんな乙女チックなところは、自分がダンスを始めた頃とシンクロして、懐かしくなりましたよ!! ダンスも化粧も上手くなると、良いですね!!

【麻子さん】
 同じく、初舞台おめでとうございます。ダンスのすじが良いなと思ったら?な?んと、昔〇〇メイツだったそうですね!? 私もアイドルのバックダンサーだった頃を、懐かしく思い出してしまいました。ダンスのセンスがあるのだから、自信を持って下さいね!? 今後の上達に期待しています。

【リコちゃん】
 キッズの中のリーダー的存在で、いつもみんなをまとめて頂き、とても頼もしかったですよ。そんなところがお母さんにソックリ!?これからも頑張って、素敵なダンサー目指してネ!!・・って、まだ将来何になりたいか、決めてなかったネ。でも、ベーシックにダンスがあるから、鬼に金棒だよ!!今度、親子のマジックも見せて下さいネ!!

【チビナオちゃん】
 ゲネプロの日、体調を崩してしまい・・凄く心配でした。でも、持ち前の根性で最後までやり抜いて、本当にプロ顔負けでしたよ。普段は回りの顔色を伺って、大胆になれないところがあるけど・・もっと弾けて良いんだよ!!お父さん似だネって言うと、え?!?って顔してたけど・・女の子は幸せになれるって、言われてるんだよ(昔の人は言いました・・)!!
【あずさちゃん】
 ダンスは勿論、Hey!Say!JUMPが大好きと言うあずさちゃん。大人の階段に1歩踏み込もうとしている、今・・。その第一歩を今回のライヴがきっかけで、おもいっきり踏み込んでくれたらなあ・・と、大いに期待しています。頑張ってネ!!


【佐々木さん】
 今回一番驚かされた事は、私の師匠名倉先生とタイムリーに仕事で、ご一緒されていたという事でした。佐々木さんが以前照明にたずさわっていた事は、存じていました。が・・まさかあの伝説の歌番組「サウンド・イン・S」を担当されていたとは・・だから人生って面白い!?

【荒木会長】
 隠れた才能を見つけ出すのが得意・・という会長が、今回私にスポットを当て、居場所を作って頂いたうえに、ダンサー魂を呼び起こさせて頂き、本当に感謝しています。
 これからも、人生をドラマチックにして・・そして謳歌していきたいと思います。
 有難うございました。

今村美佳(パッションローズ)
 ダンスもマジックも知らなかった私が『プリあら』でドルフィンカンパニーというダンスをふんだんに取り入れた素晴らしいマジックショーをされる方々を知りました。その日から、毎日の様にワクワクしながらドルフィンマジックのホームページに見入っていました。今回のライブの振付け・指導は、そのドルフィンマジックカンパニーのトップスター・あさおかるいさん!こんな機会はまたとない。どんな無理を押してでも参加したかったんです。
 そんな折、最近ダンス教室に通い始めたという同じ職場の小川佳奈子さんから「今度発表会があるんですけど、1曲踊る為に8万円の出演料がかかるんです。他でもやっぱりその位はかかるものなんですか?」と尋ねられて、私はビックリしてしまいました。パッションローズは、お金がかからないだけではなく、『CBファミリークリスマスパーティー』でもステージに立つチャンスがあるし、素敵なパーティに無料で参加出来る特権もあると、佳奈ちゃんを誘うことにしました。 
 私達が勤める会社で9月は年間を通じて最も忙しい決算月なのに、土日が休みのところ、木・金と2日連続で、しかも二人して休みを取らなければなりません。二人で上司に今度のライブについて恐る恐る相談してみたところ、「私、そういうの大歓迎よ!」とその場で一発OK!ライブには、沢山の同僚、先輩、上司が観に来てくれました。
 ライブの本番が終わる度に、るいさんから<駄目ダシ>されるのですが、この「もっと!もっと!」という、るいさんの溢れ出る情熱によってパッションローズは引っ張られ、動かされてきました。本番中にるいさんがどこから観ていてくれるかも踊りながらでも分かりました。るいさんにその事を言うと、「ごめんねー!プレッシャーよね!」とおっしゃいましたが、そこにいてくれる、見守っていてくれているというのが励みになり、アドバイス頂いた言葉がその場その場で浮かんできました。
 それから、今回のパッションローズのダンスの成功は五十嵐ひとみさんの力も大きいと思います。ひとみさんはドルフィンマジックカンパニーの方なんですが、気取らず、気さくな人柄で、常に明るく良いムードメーカーとなって下さいました。また、小さなお子さんが2人もいるにもかかわらず、ほとんど皆勤でレッスンにご参加頂くだけでなく、るいさんのご都合が悪い時には、ひとみさんが代わりに稽古をつけて下さいました。本当にありがとうございました。
 最終公演が終わり、観客の方達からの大絶賛の嵐を浴び、それぞれが家族や友人達と感動を共有していました。いつまでもこの余韻に浸っていたかったのですが、佳奈ちゃんは明日は早朝から仕事なんです。
 二階の楽屋が片付いた所で、帰宅する様に促すのですが、佳奈ちゃんは階下へ降りて行き、何か出来る事は無いかという様子でキョロキョロしています。「もう私達が出来る事は無いから帰ろう」と声を掛けても、あっちへ行き、こっちへ行き、帰って来た手には塵取りとほうきが握られていて、せっせと道路に散った花の残骸をかき集めています。
 それが終わっても何かをしよう、しようとしている佳奈ちゃん。今度は私が佳奈ちゃんにさせてあげられる事は無いかとキョロキョロして、立派な花が生けられていた花台や鉢が沢山そのままになっているのを見つけました。佳奈ちゃんに声を掛けると、すごく嬉しそうに疲れた様子も無く顔を輝かせました。それから二人で花台を折り畳んで束ねたり、鉢の中の水やオアシスを捨てたりしました。
 それが終わって再度「もうここからは慣れている人たちに任せて良いと思うよ」と、声をかけるとやっと納得して帰る事になりました。
 土曜の夜11時。若者達で賑わう下北沢の繁華街を駅へ向かって二人、衣装の入ったキャリーバッグをガラガラ引きずりながら話をしました。「明日も朝早いのに佳奈ちゃんは偉いね!」と私が言うと、佳奈ちゃんは「何だか名残惜しくてノ」とポツリ。その言葉を聞いた時、本番で踊っている時よりももっと素敵な時間を与えてもらった様な気がして感動しました。本当に佳奈ちゃんを誘って良かった。一緒に参加できて良かった!
 最後に、こんな素晴らしいチャンスを与えて下さり、貴重な経験をさせて下さいました総合プロデューサーの荒木一郎会長、「ありがとうございました!」
村岡正仁(掃除人・運び屋他)
 あらためて、いま、振り返り、あれは夢だったんじゃないか、そう思うほどアッという間の、そして現実離れした体験でした。
  初めて、練習でパッションローズと踊るぺるちゃんの姿を見たとき、これは、みんなの想像を絶するすごいショーになると確信すると同時にモチベーションがさらにグッとあがりました。
 自分自身、こんなドラマチックなショーは観たことがないし、今まで見たことがない、いろんなぺるちゃんを見れてワクワクしっぱなしでした。
 通し稽古で、フィナーレのキャスト紹介の時、舞台監督が「ゲスト以外は、時間が無いから呼ばなくていい」と言うと、会長が「キャストは、みんな同じだから全て呼ぶ」と訂正したのを聴いて、このショーに特別なゲストはいない、ぺるちゃんという主役に対して、全員が平等な脇役なんだ、そう思い練習しました。
 実際の役割は、エキストラで演技&道具のセッティング。重要な役割で、マジック道具の知識と演技力が求められましたが、いつも、プリあら例会で道具出しをしていたおかげで、なんとか大丈夫。プロの役者である福田さんと一緒にできたのも素晴らしい経験でした。 ぺるちゃんはもちろん、自分自身と、みんなの新しい魅力を知ることが出来ました。
 そんなこんなで、色んな人たちに迷惑をかけ、助けられ、感謝をして、色んな経験を楽しんだ時間は、ショーの幕と共に閉じたのでした。
 今回、普段の生活では味わえない貴重な体験をさせていただき、声をかけてくださった荒木会長にはいくら感謝しても足りません。
  参加していなければ、知ることができなかった舞台裏、ずっと前から練習を重ね、道具を作り上げ、アイデアを出し、ステージではもちろん、その裏でも汗だくで準備と片付けを真剣にこなす、みんなの姿は本当に輝いていました。
 みんな、かけがえのない<ぺるライブの宝物>です。 みんなの価値は主役のぺるちゃんと同じものでした。 ぺるちゃんが主役で本当によかった。ぺるちゃん、みんな、お疲れ様、本当にありがとうございました。
関口伸光(観客&花瓶製作)
 「花の命は短くて」に続いて「昼下がりのカフェ」のマジックや背景も素敵でしたが、「ぺるの?スター誕生ストーリー」はすごい!テンポよく切り替わる音楽、そしてコミカルな演技、ぺるちゃんが誕生する様を愉快に描いていました。
 演技と音楽が見事に融合していて、ぺるちゃんらしさが存分に出ていてとても良かったです!
 それともう1つ「ぺるのシャボン玉ファンタジー」は最高に感動しました!
 「ラブ・ ミー・テンダー」の曲にのせて描かれるファンタジーな世界が見事に表現され、感動して涙が出てきました!女の子らしいかわいいぺるちゃんが表現されていて大好きな演目でした!
 ぺるちゃん本人が以前から大好きで意識していると言うミルコ(アルゼンチンのマジシャン)の世界が一瞬重なって見えた気がしました。とても素敵でした!
 最終公演が終わったあと、外に出てきたぺるちゃんを見て、感動がこみ上げ、また涙してしまいました。(いったい何回泣いたのかわかりません(^_^;))ぺるちゃんの頑張り、パッションローズの素晴らしいダンス、スタッフみなさんの情熱・・・それになんと言っても全ての観客に最高の感動を与えてくださった荒木会長の思い・・・いろんな思いがこみ上げてきたのです。
加納 実(照明)
 「ぺるライブ」の照明を担当した加納です。
 プリあらの皆さんとのお付き合いも10年目になりましたが、全てが夢の中の出来事のような、そんなマジックショーがあるとは先月まで知りませんでした。
 手品にこんな可能性があることを知りませんでした。マジックショーがこんなに楽しいものだとは知りませんでした。そんな「ぺるライブ」との出会いは衝撃的な経験でした。
 舞台の制作では、照明デザイナーが他のメンバーより遅れて参加することはよくあります。このライブでも私が参加した時には、出演者のパフォーマンスや衣裳、舞台装置、音楽などがほぼ出来上がっていますが、照明だけは何も決まっていません。
 しかし照明は舞台をいかに見せるかという重要なファクターですから、<明かりを創る>という作業はライブを<作品>として完成させる作業ということになります。
 それぞれのシーンがどのように演出されるのか?そのなかで照明で何ができるのか?などをプロデュース・演出の荒木さんの言葉をヒントに考え、イメージを組み立てていきます。
 ぺるさんの繊細な演技、スタッフさんのこの作品に賭ける情熱も私のイメージを膨らませます。
 出来上がった作品は私の想像を超えるものでした。
 私のお気に入りのシーンがふたつあります。ひとつは「シャボン玉ファンタジー」です。これは、雨上がりに雲の切れ間から差し込む柔らかい日差しの中、シャボン玉で遊ぶ少女という見せ方です。
 もう一つは「ある淑女が見た夢は」です。バーで酔いつぶれてしまった女性の夢の中をタンゴのダンスのイメージで表現しました。他のいずれのシーンも興味深くやりがいのある仕事でした。
 こんな経験をさせてくれた荒木さん、スタッフの皆さん、素敵な舞台を見せてくれた出演者の皆さん、舞台を盛り上げてくれたお客さんに感謝!感謝!
10月2日(金)  佐々木由喜雄(制作チーフ)
 そして本番の日が来た。午前中、全ての直しをして午後から予定通りの稽古、ゲネプロへ突入した。山田夫妻は、今日からの参加だから“稽古”はここしかない。
 途中、山田さんに調子を聞いたら「大丈夫です!」との返事。そして、恵美子さんの笑顔。安心した。
 実際、お二人は見事な連係プレーで、何と階段上のキャットウォークまでの道具片付けから我々の道具出しまで、実に手際よくこなしてくださった。事実上、ぶっつけ本番なのにだ。
 ゲネプロの途中、客席では荒木会長が立ち上がり、誰かと話されていた。あとで聞いたら、K社のぺるちゃん担当のSマネージャーだった。招待券なしのお客を何人かお連れしたらしく、会長が、ゲネが終わるまで待ってほしいと言ったら居なくなったらしい。
 ゲネプロが終わったのが、開場20分前。
 まだ客席が出来ていない!
 大急ぎで脚立類、荷物類を運び出し、椅子を並べた。ここでまた大きなミスをした。「プリあら」の例会で慣れていると思い、細かい打ち合わせをせずにスタッフに会場係を丸投げしていたのだ。
 狭い客席に超満員のお客様。そこで孤軍奮闘してくれたのは佐藤理恵ちゃんだった。が、如何せん、ひとりではどうしようもなく、お客様のご案内に支障が出た。理恵ちゃんにもお客様にも申し訳ない事をした。ごめんなさい。
 K社関連のチケットなしの招待客というのが4人来たが、肝心のSマネージャーは別の現場に行ってしまったと、まだ入社仕立ての若いK社社員が何も聞かされていずに困っていた。
 そしていよいよ開演10分前、本ライブ最大最悪の事件が勃発した!
五井渕 実(音響)
 4月のとある日。携帯に、プリあらの佐々木さんより一本の電話が。
 「10月に荒木会長がプロデュースする一人のマジシャンのライブを催すので、是非とも音響をお願いしたいのですが、スケジュールは如何でしょうか」との連絡が。
 1日だけ仕事はかぶってしまったのですが、なんとか、うまくその現場をこなし、本番は無事3日間やり遂げることが出来ました。
 9月15日にリハーサル。そんなたいした人間でもないのに、私のスケジュールに合わせて頂き申し訳なかったです。リハーサルを娘と一緒に立ち会い、全体の流れの確認をしてから、次の仕事のために、「ぺる」さんのリハーサル会場を後にしました。
 いよいよ10月1日の、仕込み&リハーサルの日へ。
 舞台監督とかのいろいろな問題もありましたが、皆さんが一生懸命のセッティング。佐々木さんに言いました。「舞台監督は本来なら必要なのですが、荒木さんの企画に必要ではなかったのでは」その言葉の通り、スタッフの方々は試行錯誤しながらみんな一生懸命に仕込んでいました。
 リハーサルが始まり、確認事項のチェック。私自身も、音響、照明をしっかり決めてショーを盛り上げたいという願望もあったので期待を含めつつ立ち会いました。
 しかし、今思えば、リハーサルが始まった時から、荒木一郎氏の「ぺる」に対する「愛」をとても強く感じましたね。
 曲の選考。流れの中でのきっかけ。照明に対するいろいろな場面でのシチュエーション。これに関しては「愛」がなければあそこまで出来ないと思います。
 本番に関しては、始まってしまえば自分自身の中での、流れを感じながら曲のスイッチング。このスイッチングに関しては本当に疲れました。
 音響のミキサーのスペースは畳1畳の4分の3のスペースの中でのオペレート。そして、舞台を見ながらきっかけを確認しつつのスイッチング。結果、終わってから緊張で腰が痛く何とも言えませんでした。知らぬ人は多分、単純にCDのスイッチを押しているだけと思う人がいるでしょう。それはそれで構いません。
 今回の「ぺる」さんの現場が終わり、疲労のために、翌日の現場はホントに100%の仕事は出来ませんでした。というより、100%出来なくても大丈夫だった現場で救われました。
 今回「ぺる」さんにはマネージャーさんがいらっしゃったんですね。
 私もこの仕事で30年以上させて頂いていますが、慌ただしい現場でのマネージャー方の挨拶は簡単なものが多いのです。が、これだけ時間があった中で、挨拶も何もないのは初めてでした。
 それなのに、最終日。他のゲストの方に付いて来て、音のきっかけ等々に関しては意見を言ってきました。これって「何」。「ぺる」さんの時には何のアクションもなく、ゲストには・・・これってこびている?
 この時ほど、「ぺる」さんへの荒木一郎氏の熱い思いをしっかりと感じたことはありませんでした。情けないですよね。こういうマネージャーって。多分、この文章をこのマネージャーが見てもただひたすら、言い訳をするだけだと思います。逆に心配になります。「ぺる」さんの今後の存在が。
 でも、荒木一郎氏がこの先「ぺる」さんを応援するのであれば、私はそのままついて行きます。そんな、複雑な感想を持った今回のライブでした。
10月2日(金) 堀 友成(舞台美術他)
 ゲネも終わりいよいよ本番。いつもなら緊張するのですが、楽しみ120%で緊張もせず舞台裏で本番を待ってました。
 しかし、このとき事件が。。。。
 ぺるちゃんにどこからか携帯電話が渡され話しているうちに、ぺるちゃんが声を上げて泣き出しているじゃないですか!
 カッシーさんは、「テンパッて泣いちゃってます」と言ってましたが、なんだか様子が変。そこに佐々木さんも現れ、会長と連絡を取ろうとするも連絡が取れず。本番10分前、どうなる!?中止か!?どうなるんだ!!
 心配になり舞台裏から楽屋に向かい、表を見ると会長も電話で誰かと話していて、ちらっと聞こえた声が「俺が降りる」という言葉でした。
 本番前に会長がおりる、ぺるちゃんが泣いているって事は、やっぱり中止なのか?この状況に対して自分は、何も出来ずにただ見守るしかありませんでした。
 ただ、ぺるちゃんにとってここで中止したら今までの苦労(ダイエットに練習)が、水の泡になってしまうので、何とか中止だけはしないで欲しいと願ってました。
 そこに、マジシャンのヒロ・サカイさんが現れ会長と何か話をされていました。詳しい話の内容わかりませんが、とにかく中止だけは回避されたようなので舞台裏に戻り30分押しで本番開始。
 始まったら、ぺるちゃんもさっきまであんなに泣いていてたのが、嘘のようにダンスを踊っているじゃないすか、さすがプロだな!
 この数ヶ月は、自分の中でとても濃い期間でした。このような貴重な体験をさせてくれた荒木会長に感謝しています。ぺるちゃんをはじめ、皆さんお疲れ様でした。ぜひ、ぺるライブ2をお願いします。
10月2日(金)の続き  佐々木由喜雄(制作チーフ)
 上手袖にスタンバイしていたのだが、何となく妙な雰囲気を感じて下手裏に回り、ぺるちゃんに、OK確認の声を掛けようとして息を飲んだ。
 耳に携帯を当てながら、号泣していた。「仕事ができなくなる…」ただ事ではない。
 すぐに言った「会長と話しますか?」「ハイ、電話してるんですけど、会長につながらないんです。マネージャーからの電話で、K社のお客様を中にも入れてくれないようなライブには出るな。出たらもう仕事はやらせない、って…」と、言って泣きくずれそうだった。心底、怒りが込み上げた。
 招待客の件を含め、こちらは最初から筋を通しているのだ。このライブに関して言いたいことがあるのなら、制作担当かプロデューサーに直接言うべきである。
 一生懸命、練習をしてきて、今、正に開演直前でテンションを上げようと集中してるタレント本人を困らせて、何の意味があるのか。
 すぐさま邪宗門にいる荒木会長の元へ飛んで行き、状況を報告した。
 Sマージャーは現場にいない。K社に入社1.5ケ月の青年はオロオロするばかり。会長から言われ、その青年がうろたえながら必死で、携帯でSマネージャーを捕まえた。
 電話を会長に替わる。弱いものいじめと見た<宇宙人>会長の言葉は。「ぺるをおどすなら俺をおどせ、ぺるをおろすなら、俺を降ろせ!」。
 正義の鉄槌が下り、Sマネージャーから、ぺるちゃんにお詫びの電話が入る事になった。
 次の問題は、落ち込んでしまったぺるちゃんの気持ちをどう持ち上げるか、だった。
 会長は私に、会場にいらっしゃっていたお友達で、同じK社のぺるちゃんの先輩でもある、ヒロ・サカイさんを呼んでくるように言われた。
 駆けつけたヒロさんは会長の話を聞いた。
 その後、ヒロさんはゆっくりと楽屋に向かった。マネージャーから謝罪が入り、少し落ち着きを取り戻し、メイクを直し始めたぺるちゃんに、会長の意を体したヒロさんが言った。「全部俺が預かるから大丈夫だよ」
 ぺるちゃんの顔に微笑みが浮かんだ。
 こうして記念すべき<ぺるライブONE>の第1ステージは、約30分押しで『波瀾万丈』の幕をあけた。
佐々木由喜雄(制作チーフ)
 ぺるちゃんは本当に頑張った。見上げたプロ根性だった。ショウの進行と共にみるみる輝きが増していった。
 みんな感動した。回りのキャストもスタッフもそんな彼女のために全力を尽くした。
 ライブ終了後、ヒロさんの仲介で荒木会長とK社のSマネージャー他、数人の人達との話し合いが行われていた…。

 翌3日(土)の昼と夜を含め、計3回のライブは、いろいろ反省すべき点もあるが、全体としては大成功だった。
 我々、場面転換組もどんどんノってきた。村岡君もニッカポッカが板についてきたし、堀さんの窓拭きもうまくいくようになった。ピーロさんもジャグリングで本領を発揮し、福田君の芝居が魅力的で楽しかった。
 終わってから裏方の自分にまで握手を求めて、感動を伝えてくれる人がいた。初めて見たぺるちゃんが綺麗で可愛くてファンになったという人。素晴らしかった、楽しかった、感動した、あんなステージ見た事ない、と言う声。そして、ありがとう、とお礼まで言われた。
10月5日(月) 佐々木由喜雄(制作チーフ)
 会長宅のアイスタジオにて『ぺるライブONE』の打ち上げ。
 みんなのスピーチから会長のスピーチまで、笑いと涙でクシャクシャの感動的な打ち上げとなった。
 そして何より、ぺるちゃんを始め、関わった全員が心地良い疲労感とともに、爽やかな誇らしい達成感に包まれていた。
 ふと古舘さんの言葉を思い出した。「佐々木さんは、何が楽しくてそんなに頑張ってるんだか、俺にはわからない」
 ぺるちゃん、ライブを決断してくれて、ありがとうございました。
 荒木会長、今回もまた本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ぺる
 ちょうど1年前、「マジシャンは、もっとライヴをやるべきだ!!」「単独ライヴをやる事はマジシャンとして、パフォーマーとして大きな成長をもたらす」という荒木会長の熱いメッセージをうけて、単独ライヴをやりたいと思いました。
 ただ、何の計画も企画もその当時はありません。荒木会長の話をきいて、ただ無性にライヴをやってみたい!!今やらないで、いつやるんだ?!という衝動にかられました。
 単独ライヴというのは、2時間近く、ほぼ一人で演技をし、責任は全て自分にふりかかるという楽しくもあり、おそろしくもある事です。
 構成も何も考えずに、ただひたすらマジックをやるだけであれば何時間も出来ますが、1つの流れをつくり、構成も考えるというのは至難のワザです。今回は荒木会長がプロデュースをしてくれるとの話をいただき大変嬉しくおもいました。
 人には得意分野というものがあります。私の場合、妄想はある程度、得意なので、こんなストーリーのマジックをしたい!!というイメージはわくのですが、そこに手品、音楽、ふりつけをする事はあまり得意ではありません。
 期待と不安の中、ライヴへむけて少しずつ歩きだしました。
 ただマジックをやるのではなく『ひとつひとつのマジックを作品化して、人に感動を与え、今までのおちゃらけぺるのイメージから、魅力ある大人の女性の演技を目標とする』と、会長に言われ、最初は疑問もありました。
 今までおちゃらけぺるでやってきたのに、何故ダメなんだろう。1人悩んだ事もありました。
 「全部おちゃらけはいけないが、大人の魅力をもちあわせたパフォーマーが、たまにおちゃらけるのはいい」と言われ、少しずつ会長が言ってる事を理解してきました。
 人が自分に何を求めているのか?!ひたすら考える日々が続きました。自分を知るとはどうゆう事なのか....
 会長は私に、難しいマジックをやれとは言わず、逆に「簡単なマジックでいい。人が感動するという事は難しいテクニックのマジックをやるからではないんだ」と言われ、確かにそうだなと、その事は私の体の中にスッと入ってきました。
 ただどうしたら、人の心に何か与えられる演技ができるのか?!という答え探しのゴールは、なかなか見えません。
 まずは最低限のマジックの数と技術を身につけなくてはならない!!ステージマジックは北見マキ先生の教室に通っていたので、再び門をたたき、単独ライヴの話をして、私がやりたいマジックのテクニック、見せ方など指導していただきました。週2、3回、小岩の北見先生教室に通い、家ではレッスンの日々でした。同時に会長のところにも通い、演技のストーリーや曲を見ていただきました。
 最初はエンディングにイリュージョンBOXを使う案もありました。よくあるマジックで、人が消えて、会場の客席から出て来るというものです。
 会長が「ここでぺるが消えて、キレイな衣装に着がえて再び登場!!」と言ったので、てっきり客席から出てくるのかと思いきや・・・「客席からは出れない会場なので、ステージ上のカーテンから再び出るんだよ」と言われ、最初は「それでは手品として不思議じゃなくなってしまいませんか?」と言いました。「不思議さじゃないんだ。キレイに変身してる姿に人は感動するんだ」と言われ、最初は「そうかなぁ?!」と疑心暗鬼なところが多々ありましたが、のちライヴ終了あとは、この疑問が全て嘘のようにかきけされる事になるんです・・・
 演目に関しては、私が、もともと演じている手品の見せ方を変えたり、曲を変えたりしました。
 私がこの曲を使いたいと会長に持って行く曲は、だいたいNGがでました。曲にパワーがなかったり、私にあってなかったり、単調だったりが理由でNGになりました。
 苦労して選んだのに....と落ちこんだりもしましたが、かわりに会長が選んでくれた曲は、とても素晴らしいものばかりでした。
 私が普段選ばないタンゴ調のものなど。初めは、こういう曲タイプじゃないなんていうのもありましたが、何度も練習して行くうちに、この曲とマジックとぺるの融合の魅力に気づかされるんです。
 同じ演技を映像で流して、曲をかえてみると嘘のように違ってみえます。曲が与えるパワーの凄さに驚かされました。会長のように映画を沢山見ておけば、曲選びの幅も広がるなぁとしみじみ思いました。
 
 ライヴが終わって、よく言われた事→「照明と音楽がすばらしい」「あれ!? ぺるは?」と、つっこみ入れたくなりますが、それほど音と照明がすばらしかったのと、自分をよく見せてくれる曲を選ぶ!! 自分をよりよく見せてくれる照明!! 全てが一つになった時に、よりよいステージが出来あがる。
 曲と演技をワザとちょっとずらすテクニックとか、ふだんまかせっきりの照明でしたが、今回、大変勉強になりました。
 最初は不安と自信のなさでいっぱいでしたが、ひとつひとつ演目が出来て行くにつれ、楽しくなってきました。このマジックをやりたいという気持ちから、このマジックを見せてあげたいという気持にかわっていきました。これが、ただマジックをやるのではなく、作品を作って行くということなのでしょう。
 大ざっぱで、ギリギリまで動かない私が半年前から準備するのは初めてかもしれません。マジックに必要な道具を何度も何度も買いに行きました。
 サイズがあわなくて、何度も買いなおしに行きました。目標があるので、不思議と苦痛ではありませんでした。
 道具を沢山そろえなくてはいけないので、お金はかかりました。ライヴは赤字などと言いますが、衣装と道具で、何十万もかかりました。練習の間は、当然、働けないと思うとゾッとしました。海外のショップで安く買ったマジック道具が使えなくて、結局、日本のショップでまた買わざるをえないものもありました。
 どんなにお金がかかっても借金しても、いいライヴをやりたいという気持ちは、しだいに強になってきました。
 演目の話をしている時、営業で出来ないマジックはイヤだと言ってしまいました。始めは本当にそう思いました。貧乏性な私としては、これだけお金をかけるなら営業で出来ないと、もったいないとぶっちゃけ思いました。
 でも会長とディスカッションしてるうちに考えはかわりました。逆に営業で出来ない事をライヴでやろうと思えるようになりました。何のためにライヴをやるのか?!を私は100%理解できていなかったようです。

 曲が、ほとんど決まってきました。
 「スター誕生ストーリー」という演目は、12分もあるんですが、曲が沢山かわるので、曲をきいてるだけでもあきません。
 私は曲だけで、7分以上続けてマジックをした事がありませんでした。曲でしゃべらずにマジックをするのは得意ではないのです。何故なら失敗した時、トークでごまかせないから、あやまれないからです。
 そんな私がいきなり12分も無理ではなかろうか?!と思いきや、曲の力に助けられて、12分もの長い時間には感じませんでした。曲が楽しいので演じていても楽しいのです。
 曲は良かったんですが、なんせ12分という長尺なのでマジックの仕込みが大変でした。本番1週間前に何人かの人に見せたら「タネがほとんど見えてる」と言われ、死ぬほど落ちこみ、会長に電話して、12分の演技を半分にへらしたいと言いました。
 会長いわく「それでは意味がない。後半のストーリーがあるからこそ、人は感動してくれるんだ。前半だけならやめよう」と言われました。
 練習が間にあってないのは私の責任ですが、そこまで言わなくても.....と一瞬おちこみました。あと1週間でほとんど見えてたネタがみえなくなるのか?!
 この演目だけなら1週間で何とかなりますが、ダンスもやりつつ、マジックの演目は9つ以上あるんです。道具の制作が間にあわなくて、曲すら決まってない演目もあり、私は不安で仕方ありませんでした。
 なので、後半部分をカットしていいよと言ってほしかったんです。インコを出すシーンも予定しており、インコもひなから育てましたが、間にあわず.....「インコなしの後半あり」で行くことになりました。
 いっぱいいっぱいだからカットしたかったのに、どうして分かってもらえないんだろうと泣きながら練習したこともありました。私はそんなに器用じゃない。日本一、不器用なマジシャンなんだ!!とブツブツ独り言も言いだすようになってしまいました。
 私は必要以上に人の意見をきいてしまう悪いクセがあります。全ての意見をきいて、とり入れようとするので無理が生じます。今回もその事で会長とよくぶつかりました。人に言われたので、ココの部分をなおしたいんですと会長に言って困らせてしまいました。
 プロデュースをしてくれる会長を信じていけば、直前に変えたいというのはありえません。誰の言うことも聞いてしまうようで、本当は誰も信じてないとよく言われた事がありますが、その言葉が胸につきささりました。
 「ライヴがこけた場合、全責任は俺がとる」と言ってくれた会長を信じて、頑張ろうと心に決めました。
 
 ダンスのレッスンは8月くらいから始めました。あさおかるいさんが振り付けをしてくれました。私の体があまりにも固いので笑われてしまいました。
 ダンスの練習は基本的に午前10時からが多かったので、夜行性の私にはかなり辛かったです。深夜インターネット番組のある時は、寝ないで行くこともしばしばありました。
 るいさんをはじめ、プロのひとみさん、ダンスチーム パッションローズのすみちゃんが熱心に私の練習につきあってくれました。
 ツーステップが出来なくて笑われてた私が、少しずつ踊れるようになりました。何よりみんなで踊る事がたのしく感じました。
 衣装もこだわり、ベルトなど何度も店を探し、買ってはイマイチと言われてしまったり、るいさんが自分のベルトを持って来てくれたりと、全てのことにこだわりました。
 ふだん、まっいっか。で妥協してしまう私なので、るいさんの衣装、ダンスに対するこだわりは大変、勉強になりました。こだわるからこそ、いいものが生まれるんです。
 体は動かしてないとすぐ忘れちゃうので、深夜、仕事が終わってから家でドタバタ踊っていました。親にうるさいと怒られたりしました。
 前回注意されたところは、次までになおしていくという事を目標にしていたので、たまにるいさんに、ここのダンスよくなってるネとほめられると、とびきり嬉しかったです(子供な私)。
 パッションローズのみなさんも9月のシルバーウィークほぼ全日、練習につきあってくれました。
 練習が終わってからみんなでランチに行きたかったんですが、ライヴにむけてダイエットにもはげんでいました。耳つぼダイエットと野菜スープダイエットとレコーディングダイエットを組みあわせてチャレンジ!!
 
 最初はダイエットは無理だと思ってました。何故なら人間の三大欲!!食欲、性欲、睡眠欲、この中で私が一番におもうのは、食欲だからです。ライヴ前に精神的にも肉体的にもおいつめられて、食欲を抑制するなんて100%不可能だとおもってました。ところが、いつもお世話になってるまつ毛パーマなどのお店ツルティムさんが、ライヴにむかってダイエットに協力してくれました。
 人に応援されたら頑張らなくてはなりません。見た事のないパワーがわきでてきて、大好きなおかしや夜食をがまんする事が出来ました。
 つらい日々もありました。炭水化物は1ヶ月半一切やめ、野菜スープばかり飲んでました。たまにごちそうと称し、ジャガイモを食べました。ジャガイモがこんなにおいしいなんて!!昔の人がイモはごちそうだと言った意味がよくわかりました。
 野菜スープオンリーになれないうちは、おなかがすいてめまいがした事もありました。峠をこえたら頑張れました。
 ただ1つショックな事がありました。大人達は私がつくった野菜スープをマズイと言いました。ある時、小学1年生のまどかに、この手作り野菜スープをのませたところ、気をつかってくれて「まずくないよ、ぺる!!でも、変な味がする」ってガーン。
 変な味の方がマズイよりショックだし、体が心配になっちゃうよ。。。
 自分に負けずに頑張った結果、1ヶ月半で5キロのダイエットに成功!!絶対無理だと思っていたのに、人間やれば出来る!!ノースリーブになった自分を見た時、や、やせてる、とちょっと我ながらびっくりしたほどです。
 ライヴを見に来てくれた友人いわく、最初やせてて誰だかわからなかったと言われました。私ってば、そんなに太ってたのカナー?!とか、多少へこみながらダイエット成功をかみしめる!
 
 9月15日に全員のリハーサルがありました。
 その日までに使う道具や演技をまにあわせるのに必死でした。今回の演目は、ほとんどが曲ピッタリにつくられているので、私がミスったり、遅れたりすると曲が足りなくなったり、あまったりしてしまいます。それをやってしまうとカッコ悪くなってしまうので、必死に音にあわせる練習をしました。
 アナログなのでMDウォークマン(今どき?!)を通勤中ずっときいてイメージトレーニングをしていました。
 帰り道、歩きながら、シャドウでエアーマジックをしてたりもしたので、変な人がいる?!と思われてしまったかもしれません。昔、不思議ちゃんとあだ名をつけられた事もあり、変な人と言われるコトはなれました。
 コインのマジックの曲が、あまったり、たりなくなるので、悪戦苦闘しました。タンゴ風の曲なので、アタックも少なく覚えずらかったのです。
 荒木会長いわく、ミュージカルのように、いろんなジャンルの曲を使うという事で、ジャズ風の曲あり、バラードあり、タンゴあり、ポップあり、ロックありでバラエティーにとんでいました。ジャズやタンゴは、私の食わず嫌いみたいなもので、手をつけた事のないジャンルで、実際ふれてみるとステキな曲でした。

 リハーサルで会場に入った時、まずびっくりしたのが人数の多さでした。
 30人くらいいて、照明をとりつけたり、いろいろやってくれていました。私のために、こんなに沢山の人が動いてくれていると思うと一瞬、嬉しくもあり、怖くもなりました。ひとことで言うと責任感でしょうか.....。
 お昼から東演パラータで場あたりをして、夕方5時から場所を移動してのリハーサル予定でした。2時間分のマジック道具なので、すさまじい荷物の量でした。荷物運びはみなさん手伝ってくれてスムーズにはこべました。
 リハーサルでショックだったのは、きちんと演技を見せられないところでした。どうゆう事かと言いますと.....
 マジシャンはどうしても仕込みが必要なんです。会場を移動して、ごはんをいただいて、15分後くらいに通しリハーサルが始まってしまったので、道具を持たずに道具があるという設定でマジックをせざるをえなくなってしまいました。衣装も毎回着替えなくてはいけないので、どれを優先していいのか分からず、楽屋はぐちゃぐちゃになり、1人テンパってしまいました。照明さんが照明を決めるという目的があったので、出来れば道具も使いたかったんです。
 舞台監督と制作の方がもめている光景も見てしまい、私のライヴのせいでケンカをしてしまっていると何だかいたたまれない気持ちになりました。
 リハーサルがおわり、荷物をしまう時に、すぐ会場出なきゃいけないと言われ、ぐちゃぐちゃにカバンにつめこんで、Kassy宅に帰りました。
 Kassyも疲れているにもかかわらず、荷物を広げて、しまいなおす作業を深夜に手伝ってくれました。外の駐車場で荷物を広げていたら、雨が降ってきて荷物がビショビショになる事件もおきました。
 ライヴ2週間前くらいから、Kassy宅に住みこんでいました。さぞ、迷惑だったでしょう。何故なら私の部屋は汚くて練習するスペースがないからです(自慢にならなーーい)。
 片せばいいじゃん!!とおもうかもしれませんが、1週間以上はかかります。全て私がいけないんです..... 部屋が汚くて、得したコトと言ったら、ドロボーが入った時に何もとられなかった事ぐらいです。
 Kassy宅は広くて、まぁまぁキレイで大きな鏡があるので、練習にはバツグンでございます。裁縫が得意なKassyには、いろいろ縫い物もお願いしました。私も苦手なりにやろうと試みるんですが、間違えたところをぬったり、針を折りまくったり、仕事量が3倍くらいに増えてしまうんです。
 Kassyは難病をかかえていますが、連日連夜、私の練習と縫いものにブーブー言いながらも手伝ってくれました。
 そんなKassyに恩返しをと思って作った野菜スープを「まずいから手直ししていい?!」と言われ、手直ししたものをいただきましたが、ぶっちゃけ、凄くおいしかったです。Kassy宅の半分以上が私のマジック道具に汚染されていました。申しわけないと思いながらも日々、練習にあけくれていました。
 
 舞台上の出演のみなさんとの練習も夕方から夜遅くまでやりました。演技のプロの方から素人の方までいましたが、みなさん一生懸命、練習につきあってくれました。練習のあと、みんなで食べた食事がひときわおいしく感じました。
 本番三日前、事件がおきました。ジンさんが苦労していろいろ手直ししてくれたマジック道具が旅に出てしまったのです。いや、なくなってしまったのです。
 駅員さんに聞くも、店の人に聞くもないと言われ、泣きながらジンさんに電話をして、なくなってしまった事を謝罪すると、明るく「また作るからいいよ」と言ってくれました。ジーン、、、、本当は怒っていたかもしれませんが、本番3日前で私がいっぱいいっぱいなのを感じとってくれて優しく対応してくれたんだと思います。その優しさに思わず恋しそうになりました(してないんかい)。
 曲が本番5日くらい前に決まった演目もありました。
 演技自体は前からやってるものなので慣れてますが、曲に合わせるのに5日じゃキツイと思いましたが、会長のヒゲがのびている姿を見て、ジーンとしました。何故なら、会長のヒゲがのびてる姿を今まで見た事ありませんが、それだけ頑張って、このライヴのプロデュースや曲を作ってくれたんだとおもうとジーンと感動してしまいました。まだ5日もあるやないかいというプラスの気持ちに切りかえて頑張りました。
 
 そして本番が来てしまいました。会場には沢山のお花や人が来てくれています。
 私のために、来てくれた人をガッカリさせてはいけない、楽しませなければいけない!昼のリハーサルが終わったのが6時で本番は7時から!!大変、時間がない。舞台の裏はバタバタで戦争のようでした。
 本番10分前に1本のでんわ。色んな大人の事情があって、ライヴ中止と言われ、私の頭の中はパニック。
 だってお客さんは入ってるよ。私を待ってくれてるよ。わけが分からなくなり、どうしていいか分からなくなり号泣。
 みんな号泣の私を見て「大変だー、ぺるがテンパって泣いてる」いやーちがうんだー。そんなコトぐらいじゃ泣かないさーと思うも伝わらない。
 暗いところにいるから気分がめいってるんだ、明るいところへ連れていけーと言われ、ズルズル楽屋へ連れて行かれる。涙で化粧ははげ落ちている.....
 そこへHさんがやってきて「大丈夫だ!俺が何とかするから、ぺるは絶対にライヴをやるんだ!」と言ってもらい、気持ちをきりかえ、メイクもリセットしてもらう。
 メイクが再び出来たころに、その日のゲスト、大輪教授が「お客さんはみんな、ぺるを待ってるぞ」と優しい言葉をかけてもらい、またジーンときて涙が出る。せっかくメイクなおしてもらったのにぃー、ダメじゃなーい、ぺるさん。
 全てを切りかえて、来てくれたお客様のためにがんばる。ここまで、ぺるライヴを支えてくれた全ての人のためにがんばるんだ。
 
 幕があき、沢山お客さんが拍手をくれて真剣にみてくれている。オープニングは、パッションローズによる、華やかなダンス。色とりどりの衣装が華やかさを倍増してくれます。
 KIDSたちも一緒に踊ってくれるんですが、練習であまり笑顔が出来てないコもいて少し不安でしたが、本番踊りながら私自身びっくり。すっごくいい笑顔で楽しそうに踊ってる。このコはプロや!!大物になると確信したぺるなのであった...
 本番ステージ上で使ったオペラカーテンも手作りで、佐藤りえさんが作ってくれました。シルバーの綺麗なオペラカーテン。
 本番は、1演目ずつ着替えるので、着替えを手伝ってもらった、高校時代の友人で、べんべと、つちやま。
 つちやまは元美容師なので、髪をセットしてくれて、べんべはメイクをしてくれた。
 自分でやるメイクは、メイク後に、メイクまだ?と言われるぐらいダメダメですが、べんべのメイクはバッチグーでした。 
 几帳面な2人は着る衣装に1番、2番と番号札を作ってわかるように整頓してくれました。おかげで2分くらいしかない着替えタイムに間に合いました。

 私が着替えている間、舞台では工事をしていたり、雨がふっていたり、いろんな設定でお客様をあきないようにしてくれています。この連携プレーがあると、ステージがぶつぎりにならないし、お客様もあきないのです。会長とピーロさんで、いろいろ考えてくれました。そして人前に出るのがはずかしいと言いながらもステージ上に出てくれたみなさん、本当にありがとうございました。
 1回、私がトリで使う大事なものをテーブルにおくのを忘れてしまったところ、全然そこ担当じゃない出演者のふくちゃんが気づいてくれて危機一髪セーフというシーンもありました。私も誰かのステージの裏を手伝うとき、こうゆう風にフォローが出来るようにならなきゃと思いました。
 照明がとてもキレイで、1つの演目の中でも昼になったり夜になったり、ドラマがあるんです。自分をより良く見せてくれる照明!!
 会長が熱く語ってくれた照明の素晴らしさが良くわかりました。
 音響も、とても良かったです。
 ステージすべての演出が、私を大女優のように見せてくれたんです。ライヴが終わって沢山の人にそう言われました。初めてマジックを見たという女のコに「マジック嫌いでしたけど、マジックに対するイメージがかわって好きになりました」と言ってもらえたコトが本当にうれしかったです。
 裏では魔法招会メンバーも沢山手伝ってフォローしてくれました。沢山の方々の協力があってこそライヴができました。初日のオープニングマジックは手がふるえているのが自分でもわかるほどでした。
 最後のあいさつで、もっと感情的に話せばよかったと後悔しています。
 シャボン玉のマジックが感動したと言ってくれる人が多くて嬉しかったです。とても思い入れのある演技だったので。会長の選んでくれた曲との融合が人に感動を与えられたのかもしれません。マジックで人を感動させることが出来たら、こんなステキなコトはありません。
 今回、単独ライヴをやったコトで沢山のトラブルやクレームもありました。争いごとはキライですが、ぶつかるコトでより深まるきずながある。
 音響さん、照明さん、スタッフのみなさん、パッションローズのみなさん、るいさん、ゲストのみなさん、会場に来てくれたみなさん、ライヴをプロデュースしてくれた会長。全ての人がいたからこそ、このライヴを開催することができました。道具も無償で作っていただきました。1人じゃなにもできませんでした。貴重な財産になりました。ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
 途中、こんなに大変ならやめればよかったと思った事もありましたが、全てが終わったあと、本当にやって良かったという気持ちでいっぱいになりました。
 仕事だったり、お金で人が動くのは当然ですが、今回はみなさん無償でこんだけ大変な舞台をまるで自分の事のように手伝ってくれました。みなさんの情熱に支えられて結果的に人に感動してもらえる素晴らしいショーができました。
 この経験は私にとって、かなり大きなものです。
 最初はそんな事できないと思ってました。でも最初から出来ないと思ってやめてしまえば何も始まらない。自分の可能性を広げる事を、誰も一生やめてはいけない。

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